2025/06/14 14:18
神社でのお祈りやお祓い、結婚式などの際に納める「初穂料」について、「いくら包めばいいの?」「どう渡せばいいの?」と悩む方は多いものです。初穂料は神様への感謝の気持ちを形にしたものですが、適切な金額や正しいマナーを知っておくことで、より心を込めてお参りができます。今回は、各種祈願やお祓いごとの初穂料の相場から、のし袋の書き方、お納めする際の作法まで、宮司の立場から詳しく解説いたします。
初穂料とは何か
初穂料とは、神社での祈願やお祓い、結婚式などの神事を受ける際に神様にお納めする謝礼のことです。「初穂」とは、その年に初めて収穫された稲穂を意味し、古来より神様への最も尊い供え物とされてきました。現代では、その心を金銭に込めて「初穂料」としてお納めいただいています。
初穂料は神様への感謝の気持ちを表すものであり、決して「料金」や「代金」ではありません。そのため「お気持ち」という表現がよく使われますが、実際には各神社で目安となる金額が設定されていることが一般的です。
初穂料の相場一覧
一般的な祈願・お祓い
・厄除け・厄祓い: 5,000円〜10,000円
・家内安全・商売繁盛: 5,000円〜10,000円
・交通安全: 3,000円〜5,000円
・学業成就・合格祈願: 3,000円〜5,000円
・健康祈願・病気平癒: 5,000円〜10,000円
人生の節目での祈願
特別な神事
お札・お守り
これらの金額はあくまで一般的な相場です。神社によって、また地域によって違いがありますので、事前にお問い合わせいただくことをお勧めします。
のし袋の選び方と書き方
のし袋の選び方
初穂料には「のし袋」を使用します。水引は紅白の蝶結び(花結び)を選びましょう。蝶結びは何度でも結び直せることから、「何度あっても良いお祝い事」に使用されます。
金額に応じたのし袋を選ぶことも大切です。
表書きの書き方
のし袋の上段中央に「初穂料」または「御初穂料」と書きます。「玉串料」という表書きも神道の神事では適切です。
下段には、祈願を受ける方の氏名をフルネームで書きます。家族全員の場合は「○○家」と書くか、代表者の名前の左側に「他家族一同」と添えても構いません。
中袋への記入
中袋(内袋)の表面中央に金額を漢数字で書きます。
裏面の左下に住所と氏名を記入します。これは神社側で記録を残すためにも重要です。
正しい納め方とマナー
お納めするタイミング
初穂料は祈願やお祓いを受ける前にお納めするのが一般的です。受付でお渡しするか、直接神職にお渡しします。
渡し方のマナー
1.両手で丁寧に: のし袋は必ず両手で持ち、相手に文字が読める向きでお渡しします
2.一礼を添えて: 「よろしくお願いいたします」などのご挨拶とともに一礼します
包み方の注意点
お札は新札を用意し、肖像画が描かれている面を上にして、のし袋の表面に向けて入れます。複数枚ある場合は、向きを揃えて重ねましょう。
よくある疑問とその答え
Q: お釣りが必要な場合はどうすれば?
A: 初穂料は「お釣りのないように」お納めするのがマナーです。事前に適切な金額を用意してからお参りください。
Q: 複数の祈願を同時に受ける場合は?
A: 祈願の種類や数に応じて初穂料をお納めします。不明な場合は神社にお尋ねください。一つの祈願で複数の願い事をお祈りすることも可能です。
Q: 会社名で祈願を受ける場合は?
A: 法人での祈願の場合、のし袋には会社名と代表者名を記入します。領収書が必要な場合は事前にお申し出ください。
まとめ
初穂料は神様への感謝と敬意を表す大切なお供えです。金額よりも、真心を込めてお納めすることが何より重要です。適切な相場を参考にしながら、ご自身の気持ちに合った金額でお納めください。
正しいマナーを守ることで、より清々しい気持ちで神様にお参りすることができます。不明な点がございましたら、お気軽に神社までお問い合わせください。皆様のお参りを心よりお待ちしております。