2025/06/14 14:56

七五三は子どもの成長を祝う大切な行事ですが、「付き添う家族は何を着れば良いの?」「カジュアルすぎるのはダメ?」「祖父母はどの程度フォーマルにすべき?」など、服装選びで悩む方も多いのではないでしょうか。神社での七五三は神様への感謝を込めた神聖な儀式でもあります。主役である子どもを引き立てつつ、神社にふさわしい装いで参拝することが大切です。今回は、宮司の立場から見た適切な服装マナーと、実際におすすめのコーディネートを詳しくご紹介します。


七五三の服装選びの基本原則


主役を引き立てる配慮

七五三の主役は子どもです。付き添う家族の服装は、子どもよりも控えめで上品な装いを心がけましょう。子どもが華やかな着物を着ている場合は、大人はより落ち着いた色合いを選ぶのが基本です。

神社にふさわしい服装

神社は神聖な場所です。露出の多い服装や派手すぎる装い、カジュアルすぎる服装は避けましょう。きちんと感のある服装で、神様への敬意を表すことが大切です。

季節と天候への配慮

七五三は主に10月から12月にかけて行われます。朝晩の冷え込みや、神社の境内での移動を考慮して、温度調節しやすい服装を選びましょう。

動きやすさも重要

小さな子どもの世話をしたり、写真撮影でしゃがんだりすることも多いため、動きやすさも考慮した服装選びが必要です。


母親の服装ガイド


セレモニースーツ

最も無難で品のある選択肢です。ネイビー、グレー、ベージュなどの落ち着いた色合いがおすすめです。

おすすめポイント

・きちんと感があり神社にふさわしい
・子どもの衣装を引き立てる上品さ
・動きやすく実用的

着こなしのコツ

・インナーはシンプルなブラウスやカットソー
・アクセサリーは控えめに(パールなど)
・バッグは小さめのハンドバッグやクラッチバッグ

ワンピース

エレガントで女性らしい印象を与えるワンピースも適しています。

選び方のポイント

・膝丈からミモレ丈程度の上品な長さ
・袖ありまたはジャケットとのセット
・無地または控えめな柄
・落ち着いた色合い(ネイビー、グレー、ベージュなど)

着物

格式を重んじる場合や、子どもが着物を着る際に合わせたい場合の選択肢です。

適切な着物の種類

・訪問着:最も格式が高く適している
・付け下げ:やや控えめで上品
・色無地:シンプルで品がある
・江戸小紋:粋で上品な印象

注意点

・子どもより控えめな色柄を選ぶ
・帯は袋帯で格調高く
・小物類も上品にまとめる

父親の服装ガイド


ビジネススーツ

最も一般的で適切な選択です。

おすすめの色

・ネイビー:最も格式が高く万能
・チャコールグレー:落ち着いた印象
・ダークグレー:上品で洗練された印象

着こなしのポイント

・シャツは白または薄いブルー
・ネクタイは無地または控えめな柄
・革靴は黒または濃茶の革靴
・時計やカフスなどの小物は控えめに

フォーマルスーツ

より格式を重視したい場合の選択肢です。

特徴

・礼服用のブラックスーツ
・より格調高い印象
・結婚式などでも使用可能

和装

父親が和装を選ぶ場合は、羽織袴が適しています。

着こなしのポイント

・紋付きの羽織が最も格式が高い
・色は黒やグレーなど落ち着いた色合い
・家族全体のバランスを考慮して選択


祖父母の服装ガイド


祖母の服装

祖母は家族の中でも特に品格ある装いが期待されます。

おすすめスタイル

・着物: 格式高く、お孫さんの晴れ舞台にふさわしい
  ・色無地や江戸小紋が適している
  ・落ち着いた色合いで品よく
・セレモニースーツ: 上品で動きやすい
  ・ミセス向けのエレガントなデザイン
  ・ネイビーやグレーなど落ち着いた色

小物選びのポイント

・バッグは小さめで上品なもの
・アクセサリーはパールなど控えめに
・靴は歩きやすいローヒール

祖父の服装

祖父も格式ある装いで参列します。

基本スタイル

・ダークスーツ: ネイビーまたはチャコールグレー
・和装: 紋付き羽織袴(より格式を重視する場合)

着こなしのポイント

・シャツは白で清潔感を重視
・ネクタイは控えめな色柄
・革靴は磨いて清潔に

兄弟姉妹の服装ガイド


基本的な考え方

兄弟姉妹は主役を引き立てつつ、家族としての統一感を大切にします。

年齢別の服装選び

幼児(2-5歳)

・男の子:スーツ風のセットアップやベスト+シャツ
・女の子:ワンピースやブラウス+スカート
・動きやすさを最優先に考慮

小学生

・制服がある場合は制服が最適
・私服の場合はきちんと感のある服装
・男の子:シャツ+チノパン、ベスト着用
・女の子:ブラウス+スカート、ワンピース

中学生以上

・制服または大人に準じた服装
・男子:シャツ+スラックス、ジャケット着用
・女子:ブラウス+スカート、ワンピース+カーディガン

季節別コーディネートのポイント


10月(初秋)

・日中は暖かいが朝晩冷える
・薄手のジャケットやカーディガンで調節
・色合いは秋らしい落ち着いたトーンを選択

11月(晩秋)

・本格的な秋の装い
・ウールやツイード素材がおすすめ
・重ね着で温度調節しやすく

12月(初冬)

・防寒対策が必要
・コートやストールの準備
・神社では脱帽・脱コートが基本

NGな服装とその理由


避けるべき服装

・露出の多い服装: 神社では品格ある装いが求められる
・派手すぎる色や柄: 主役である子どもより目立ってしまう
・カジュアルすぎる服装: デニム、Tシャツ、スニーカーなど
・ミニスカート: 神社での所作を考慮して膝丈以上を選択
・素足: ストッキングや靴下の着用は基本マナー

アクセサリーの注意点

・大ぶりすぎるアクセサリーは避ける
・光り物や派手な色は控えめに
・宗教的な意味を持つアクセサリーは避ける

小物選びのポイント


バッグ

・小さめのハンドバッグやクラッチバッグ
・色は服装に合わせて統一感を
・カメラや子どもの荷物が入る程度の容量

・歩きやすいパンプスや革靴
・ヒールは3-5cm程度の安定したもの
・境内を歩くことを考慮して滑りにくいソール

コート・羽織物

・神社では脱ぐことを前提に選択
・持ち運びしやすいデザイン
・服装との調和を考慮

写真撮影を意識したコーディネート


色合いの統一

家族写真では全体の色合いを統一することで、まとまりのある美しい写真になります。

おすすめの色合わせ

・ネイビー×白×ベージュ
・グレー×白×薄いピンク
・濃いめの色×白×パステルカラー

柄物の使い方

・無地を基調とする
・柄物は一人まで、他は無地でバランスを取る
・ストライプやチェックは写真映えしやすい

まとめ


七五三の付き添い服装は、主役である子どもを引き立て、神社という神聖な場所にふさわしい品格ある装いが基本です。過度にフォーマルである必要はありませんが、きちんと感と上品さを心がけることが大切です。

家族みんなで統一感のある服装を選ぶことで、より美しい記念写真も残せるでしょう。何より、子どもの成長を心から祝福する気持ちを込めて、自信を持って参拝していただければと思います。

服装に関してご不明な点がございましたら、お気軽に神社までお問い合わせください。皆様の七五三参拝を心よりお待ちしております。