2025/06/14 16:15

「厄払いっていつ行けばいいの?」「元旦がいいって聞いたけど、節分とも聞くし…」「もう3月だけど、今からでも大丈夫?」厄払いの時期について、このような疑問を持つ方は非常に多くいらっしゃいます。インターネットや周りの人から聞く情報もまちまちで、結局いつが正解なのか分からないという声をよく耳にします。実は、厄払いの適切な時期には神道的な根拠があり、また現代の生活スタイルに合わせた柔軟な考え方もあります。今回は、宮司として長年多くの厄払いを執り行ってきた経験から、厄払いの最適な時期とその理由、そして現実的なプランについて詳しく解説いたします。


厄払いの基本的な考え方


厄年とは何か

厄年は、人生の節目において災いが起こりやすいとされる年齢のことです。男性は25歳、42歳、61歳、女性は19歳、33歳、37歳が本厄とされ、その前後の年を前厄・後厄と呼びます。

厄払いの目的

厄払いは、厄年の災いを祓い清め、一年間の無事息災を祈願する神事です。単に災いを避けるだけでなく、人生の節目において心新たに歩んでいく決意を神様に報告する意味もあります。

数え年と満年齢

厄年は伝統的に数え年で計算します。数え年とは、生まれた年を1歳とし、正月を迎えるたびに1歳ずつ年を重ねる数え方です。現代では満年齢が一般的ですが、厄年は数え年で判断することが重要です。


厄払いの最適な時期


神道的に最も適切な時期:節分から立春

神道では、節分(2月3日頃)から立春(2月4日頃)にかけてが、厄払いの最も適切な時期とされています。

理由

・節分は「季節を分ける」という意味で、冬から春への転換点
・立春は新しい一年の真の始まりとされる
・古来より、この時期に邪気を祓い、新しい年の幸運を願う習慣がある
・自然界のエネルギーが最も清浄になる時期

元旦から節分まで:最も一般的な時期

現実的には、元旦から節分までの期間が最も多くの方が厄払いを行う時期です。

この時期の利点

・新年の清々しい気持ちで参拝できる
・初詣と合わせて行うことができる
・多くの神社で厄払いの特別な祈願が行われている
・家族や友人と一緒に参拝しやすい

年間を通じて:いつでも可能

実は、厄払いは年間を通じていつでも行うことができます。

年間参拝のメリット

・混雑を避けてゆっくりと祈願できる
・神職との個別の対話が可能
・自分の都合に合わせて参拝できる
・厄年の間、複数回の祈願が可能

時期別の厄払いの特徴


元旦(1月1日)

特徴

・最も神聖な日とされる
・初詣と合わせて行える
・一年の始まりに相応しい清々しさ

注意点

・非常に混雑する
・待ち時間が長くなる可能性
・個別の相談が難しい場合がある

正月三が日(1月1日~3日)

特徴

・正月の神聖な雰囲気の中で祈願
・家族揃って参拝しやすい
・多くの神社で特別な祈願を実施

注意点

・混雑が続く
・予約が必要な場合が多い
・祈願料が通常より高く設定される場合がある

松の内(1月7日まで)

特徴

・まだ正月の雰囲気が残る
・三が日ほどの混雑はない
・ゆっくりと参拝できる

おすすめポイント

・バランスの取れた時期
・神職との対話もしやすい
・落ち着いて祈願に集中できる

節分(2月3日頃)

特徴

・神道的に最も意味のある時期
・豆まきなどの行事と合わせて邪気祓い
・立春前の最後の厄払いチャンス

メリット

・伝統的に最も効果的とされる
・節分祭などの特別な行事がある
・春の訪れとともに心機一転

立春以降(2月4日以降)

特徴

・新しい年の本格的なスタート
・混雑が落ち着く
・個別対応が可能

注意点

・神社によっては「時期を過ぎた」と考える場合がある
・事前に神社に確認することが大切

現代における柔軟な考え方


個人の都合を優先

現代では、仕事や家庭の都合で理想的な時期に参拝できない方も多くいらっしゃいます。神様は人々の真心を重視されるため、時期よりも誠実な気持ちが大切です。

複数回の参拝

厄年の間、複数回厄払いを行うことも可能です。特に本厄の方は、年始と厄年の誕生日前後など、2回に分けて祈願される方もいらっしゃいます。

地域の慣習

地域によって厄払いの時期に関する慣習が異なる場合があります。地元の神社の慣習に従うことも大切です。


厄払いの準備と心構え


事前準備

必要なもの

・初穂料(5,000円~10,000円が一般的)
・身分証明書(年齢確認のため)
・清潔な服装

心の準備

・厄年への向き合い方を考える
・一年間の目標や願いを明確にする
・感謝の気持ちを持つ

参拝当日の心構え

・早めの到着を心がける
・静かな気持ちで参拝する
・神職の指示に従う
・他の参拝者への配慮を忘れない

よくある質問と回答


Q: もう3月になってしまいましたが、今からでも厄払いはできますか?

A: もちろん可能です。厄払いは年間を通じて行うことができます。3月でも4月でも、真心を込めて参拝していただければ、神様はお受けくださいます。

Q: 厄年かどうか分からないのですが、どうすれば確認できますか?

A: 生年月日をお教えいただければ、神社で確認いたします。また、多くの神社のホームページにも厄年の一覧表が掲載されています。

Q: 前厄・後厄でも厄払いは必要ですか?

A: 前厄・後厄も厄年の一部ですので、厄払いを行うことをお勧めします。特に前厄は「備える年」として、厄払いを行う方が多くいらっしゃいます。

Q: 厄払いを受けた後、何か気をつけることはありますか?

A: 特別な制約はありませんが、感謝の気持ちを忘れずに、日々を大切に過ごすことが重要です。また、お札やお守りを大切に扱ってください。

Q: 他の神社で厄払いを受けたことがありますが、別の神社でも受けられますか?

A: 複数の神社で厄払いを受けることは問題ありません。それぞれの神社の神様に守っていただくという考え方があります。


神社選びのポイント


地元の氏神様

最も身近で、日頃からご縁のある氏神様での厄払いが基本です。

厄除けで有名な神社

遠方でも、厄除けで特に有名な神社で祈願を受けることも意味があります。

アクセスと混雑状況

通いやすく、混雑状況が自分の都合に合う神社を選ぶことも大切です。

神職との相性

相談しやすく、親身になって対応してくれる神社を選ぶことをお勧めします。


まとめ


厄払いの時期について、神道的に最も適切なのは節分から立春にかけてですが、現実的には元旦から節分までの期間が最も一般的です。しかし、最も大切なのは時期ではなく、真心を込めて祈願することです。

現代の生活スタイルでは、理想的な時期に参拝できない方も多くいらっしゃいます。そのような場合は、ご自身の都合に合わせて、心の準備ができたときに参拝していただければ十分です。神様は、人々の誠実な気持ちを最も重視されます。

厄年は人生の節目として、自分自身を見つめ直し、新たな気持ちで歩んでいく大切な機会でもあります。厄払いを通じて、一年間の無事息災を祈願するとともに、充実した人生を送るための決意を新たにしていただければと思います。

厄払いの時期や方法について、ご不明な点がございましたら、お気軽に神社までお問い合わせください。