2025/06/27 11:47

「いただいたお守り、ずっと持っていてもいいの?」「1年前のものだけど、どうしたらいいかしら…?」そんなお悩みを抱えている方、実はとても多いんです。

お守りは神様からの大切なご加護をいただくものですが、永遠に持ち続けるものではありません。適切な時期に、感謝の気持ちを込めてお返しするのが本来の在り方なのです。

私も長年宮司を務めさせていただく中で、「お守りの返し方が分からない」「どのタイミングで返せばいいのか」といったご相談を数多くいただいてまいりました。そこで今日は、皆様が安心してお守りと向き合えるよう、正しい返納の方法について詳しくお話しさせていただこうと思います。


お守りを返すタイミングは1年が目安です


お守りの返納時期について、最もよくいただくご質問が「いつ返せばいいの?」というものです。基本的には、お守りをいただいてから1年を目安にお返しするのが一般的とされています。

これには深い意味があります。1年という期間は、春夏秋冬の四季を一巡りし、私たちの願いや祈りが神様のもとで育まれ、一つの区切りを迎える大切な節目なのです。合格祈願のお守りであれば受験が終わった時、安産祈願であれば無事出産を終えた時など、願いが成就した際にお返しするのも良いタイミングです。

ただし、1年が過ぎたからといって、急に効果がなくなったり、悪いことが起こったりするわけではありません。お守りは神様からの温かいお心遣いですから、そのようなことは決してございません。むしろ大切なのは、神様への感謝の気持ちを込めて、節目の時期にきちんとお返しするということなのです。

初詣の時期や年末年始は、多くの方がお守りの返納をされる時期でもあります。新しい年を迎えるにあたって、前年にいただいたご加護への感謝を込めてお返しし、また新たなお守りをいただくという流れは、とても自然で美しい習慣だと思います。


お守りの正しい納め方について


お守りをお返しする際は、多くの神社に設置されている「お焚き上げ箱」や「古札納所」に納めていただきます。これらの箱は、たいてい境内の分かりやすい場所に設置されており、常時利用することができます。

理想的には、お守りをいただいた神社にお返しするのが最も丁寧な方法です。しかし、旅行先でいただいたお守りや、遠方の神社のものなど、元の神社に行くことが難しい場合も多いでしょう。そのような時は、お近くの神社に納めていただいても全く問題ありません。神社は皆、同じ神道の精神に基づいて運営されており、どちらの神社でも心を込めてお焚き上げをさせていただきます。

お守りを納める際は、できれば軽く一礼をして、これまでのご加護への感謝の気持ちをお伝えください。特別な作法があるわけではありませんが、「ありがとうございました」という素直なお気持ちが何より大切です。

お守りそのものは封筒などに入れる必要はありませんが、他の参拝者の目が気になる方や、より丁寧にお返ししたい方は、白い紙で軽く包んでお納めいただくのも良いでしょう。


遠方にお住まいの方への配慮も


近年、さまざまなご事情で神社へ直接お越しいただくことが難しい方のために、郵送でのお焚き上げを受け付ける神社が増えています。高齢の方や体調を崩されている方、また遠方にお住まいで足を運ぶことが困難な方にとって、とても助かるサービスだと思います。

当神社でも、オンライン授与所を通じてお守りの授与を行っており、同時に古いお守りの郵送による返納も承っております。全国どちらからでもご利用いただけますので、お気軽にお問い合わせください。

このようなサービスを利用される際も、お守りを郵送する前に、ご自宅で手を合わせて感謝の気持ちをお伝えいただければと思います。物理的に神社にいなくても、心は神様に通じるものです。


お守りを返納する際の注意点


お守りをお返しいただく際に、いくつか気をつけていただきたい点があります。

まず、燃える素材でできたお守りのみをお納めください。最近では、金属製や一部にプラスチックが使われているお守りもあります。これらはお焚き上げに適さない場合がありますので、材質が心配な場合は事前に神社にご相談いただければと思います。

また、どんなに古くなったお守りでも、決してゴミとして処分しないでください。お守りには神様のご神徳が宿っており、たとえ見た目が古くなったとしても、その価値は変わりません。必ず神社を通じて、感謝を込めてお返しすることが大切です。

「何年も前のお守りだから、今さら返しても…」と遠慮される方もいらっしゃいますが、そのようなことは全くございません。3年前、5年前、あるいはもっと前のお守りでも、今からでも遅くはありません。神様は、私たちの感謝の気持ちをいつでも温かくお受け取りくださいます。

さらに、複数のお守りをまとめてお返しいただくことも可能です。お財布の中に何個もお守りが入っている方や、お部屋にいくつものお守りを大切に保管されている方もいらっしゃるでしょう。それらをまとめて返納していただければ、私たちが責任を持ってお焚き上げさせていただきます。


新しいお守りをいただくタイミング


古いお守りをお返しした後は、必要に応じて新しいお守りをいただくのも良いでしょう。ただし、これは義務ではありません。お守りは、特別な願いや祈りがある時にいただくものですから、無理にいただく必要はございません。

新年の初詣の際にお守りを返納し、新たな年への祈りを込めて新しいお守りをいただくという方が多いのも事実です。これは、年の始まりにあたって心新たに神様のご加護をお願いするという、とても自然な流れだと思います。

お守りは、私たちの心の支えとなり、日々の生活に安心感をもたらしてくれる大切な存在です。新しいお守りをいただく際は、どのような願いを込めるのか、ゆっくりと考えてからお選びいただければと思います。


感謝の心を大切に


お守りとの向き合い方で最も大切なのは、感謝の心です。お守りは、神様からの温かいお心遣いであり、私たちの願いや祈りを神様に届けてくれる大切な橋渡し役です。

1年間、あるいはそれ以上の期間、私たちを見守り続けてくれたお守りには、数えきれないほどの思い出や体験が込められています。そうした日々への感謝を込めて、丁寧にお返しすることで、私たちと神様との絆もより深まるのではないでしょうか。

現代は忙しい時代ですから、必ずしも神社まで足を運べない方もいらっしゃるでしょう。郵送やオンラインでのサービスも、そうした方々のお気持ちに寄り添うための工夫です。大切なのは、どのような方法であっても、感謝の心を込めてお返しするということです。

当神社では、皆様のお守りを大切にお預かりし、心を込めてお焚き上げをさせていただいております。お守りの返納や新たなお守りの授与について、何かご不明な点がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。皆様が安心してお守りと向き合えるよう、これからもサポートしてまいります。