2025/07/02 09:18

受験シーズンが近づくと、多くの受験生やご家族が神社に足を運ばれます。私も宮司として、この時期は特に多くの方々とお会いし、皆様の真剣な思いに触れる機会が増えます。

「合格祈願はいつ頃行けばよいのでしょうか?」「参拝の仕方に決まりはありますか?」「どのお守りを選んだらよいか迷っています」そんなご相談を日々いただきます。受験生の皆様、そしてご家族の方々が少しでも心穏やかに大切な日を迎えられるよう、長年の経験を踏まえながらお答えさせていただきます。


合格祈願に行くおすすめの時期はいつ?


実は、合格祈願に「この日でなければいけない」という決まりはありません。神様はいつでも皆様の願いに耳を傾けてくださいます。ただ、多くの方が訪れるタイミングには、それぞれに意味があります。

受験の1〜2か月前(12月〜1月頃)にお参りされる方が最も多いですね。この時期は、試験に向けた準備が本格化し、気持ちも引き締まってくる頃です。早めにお参りしてお守りを受けることで、残りの期間を心の支えとともに過ごせるでしょう。

お正月の初詣の際に、家族みんなで合格祈願をされる光景もよく見かけます。新年の清々しい気持ちとともに、一年の大切な願いを神様にお託しする。とても美しい習慣だと思います。

中には試験当日の朝に参拝される方もいらっしゃいます。最後の気持ちの整理や、心を落ち着かせるために足を運ばれるのです。これも立派な参拝の形です。

一番大切なのは、皆様の「合格したい」という真摯な気持ちです。その思いが整ったとき、神様の前に立っていただければと思います。


合格祈願の正しい参拝方法


神社での参拝には、古くから受け継がれた作法があります。これは神様への敬意を表す大切な所作です。

まず鳥居をくぐる前に一礼をしましょう。これから神様の御前に入らせていただく、という気持ちを込めて軽く頭を下げます。

手水舎では、左手、右手の順に清め、最後に口をすすぎます。これは身も心も清らかにして神様にお会いするための準備です。コロナ禍以降は、口をすすぐ際に直接口をつけずに、手に水を取って口に含む方法をおすすめしています。

拝殿では、まずお賽銭を静かに入れ、二礼・二拍手・一礼の作法で参拝します。祈願の際は、ただ「合格させてください」だけでなく、「○○大学合格に向けて精一杯努力いたします。どうか見守ってください」といったように、自分の決意も込めてお祈りください。神様は、努力する人を特にお守りくださると私は信じています。

絵馬に願いを書くのもよい方法です。文字にすることで、自分の目標がより明確になります。ただし、個人情報は控えめに書くことをお勧めします。


合格祈願のお守りの種類と選び方


当神社でも様々なお守りをご用意していますが、それぞれに込められた意味があります。

学業成就守は、日頃の勉強に励む力を授かるお守りです。集中力を高めたい、成績を上げたいという方に人気です。受験勉強の期間中、机の前に置いて頑張る自分を見守ってもらいましょう。

合格守は、より具体的に試験合格を祈願したお守りです。受験当日にお持ちいただく方が多いですね。小さなものなので、筆箱に入れたり、制服のポケットに入れたりして、いつでも神様の加護を感じていただけます。

だるま守や鉛筆守は、親しみやすい形で受験生に人気です。だるまには「七転び八起き」の意味があり、何度でも立ち上がる強い心を表しています。鉛筆守は、文字通り勉強道具として日々お使いいただけます。

お守りを選ぶ際は、どれが良いかよりも、どれに一番心が向くかを大切にしてください。皆様の気持ちが込もったお守りが、最も効果的だと思います。

志望校にゆかりのある神社地元の神社のお守りを受けるのも良いでしょう。土地の神様に見守られているという安心感は、きっと心の支えになるはずです。


オンラインでも合格祈願のお守りは受け取れる?


現代では、神社のオンライン授与も珍しくなくなりました。遠方の神社のお守りを受けたい方、受験勉強で忙しく参拝の時間が取れない方、体調を崩して外出を控えたい方にとって、とても便利なサービスです。

オンラインだからといって、お守りの効果が薄れるということはありません。神職が一つひとつ丁寧にご祈祷した、正式なお守りをお送りしています。

学業成就御守はこちら


実用的なアドバイス

長年多くの受験生を見てきた経験から、いくつかお伝えしたいことがあります。

お守りは清潔な場所に置くことを心がけてください。勉強机の上や、よく目につく場所に丁寧に置いていただくと良いでしょう。

お守りの効果を信じすぎて勉強を怠ることがないよう注意してください。神様は努力する人を応援してくださいますが、努力なしには願いは叶いません。

複数の神社のお守りを持つことについて気にされる方もいますが、問題ありません。神様同士がけんかをすることはありませんので、安心してください。

受験が終わったら、結果に関わらずお礼参りをしていただけると嬉しいです。神様への感謝の気持ちを忘れずに、新しいスタートを切ってください。


まとめ


合格祈願は、時期よりも皆様の真摯な気持ちが何より大切です。12月から1月にかけて参拝される方が多いですが、思い立ったときにお参りいただいて構いません。

神社での参拝は、単に願いを叶えてもらうだけでなく、自分自身と向き合い、気持ちを整える時間でもあります。お守りは、皆様の努力を支える心の支えとなってくれるでしょう。

一人でも多くの受験生が、心穏やかに試験当日を迎え、持てる力を十分に発揮できますよう、心からお祈り申し上げます。皆様のご健闘をお祈りしております。